◆愛媛県長浜町バス転落事故(1956年)

 まず最初にお断りしておくが、これも極めて資料の乏しい事故である。

 愛媛県喜多郡長浜町は、地図で見ると、佐多岬半島から海岸線に沿ってず~っと北西に進んだあたりにある。山々の間を縫うようにして道路が海沿いギリギリを走っているが、事故はここで起きた。

 1956年(昭和31年)1月28日のことである。時刻は夜の8時。保内町という地域から出発した伊予鉄道のバスが、出海―櫛生間の道路を走って北西にある長浜町へ向かっていた。

 この時、伊予灘は時化ていたという。しかもウィキペディアによると、ここの道路は海沿いの断崖絶壁だそうで、事故を起こした路線バスは大荒れの伊予灘を横目に見ながら走っていたわけだ。原因は不明だが、このバスが海へ転落した。

 犠牲者は乗客と運転士と車掌を合わせて10名。もし定員オーバーするほど乗客がいたなら犠牲者はもっと多い気がするので、バス事故の定番である「定員オーバーでバランスを崩して転落」というパターンではなかったのかも知れない。

 その他のバス事故のパターンに当てはめて想像を巡らせてみると、夜間の走行による視界の悪さ、海が時化るほどの悪天候、あるいは道路状況が良くなかったか――そんなことが原因として思い浮かぶ。

 なお、当時の新聞では死者10名となっているが、ウィキペディアでは9名と記録されているのも奇妙だ。いろいろな点が不明なのだが、よく言えば想像力をかき立てられる事例である。

【参考資料】
ウェブサイト『誰か昭和を想わざる』
◆ウィキペディア

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