◆長野県松本市・薄川バス転落事故(1960年)

 またしても1960年の事故である。この年だけで見ると大した件数ではないように見えるが、2~3年くらいのスパンで見ると、とにかくバス事故の発生割合の多さに驚かされる。

 つまりこの頃から、日本は交通網が大きく整備されていったのだろう。そして交通量も増え、システムや人の心がその変化に追いつかなくなったのだ。そういうことなのだと思う。

 今度の事故現場は、長野県松本市である。1960(昭和35)年12月26日午前11時、雪の積もる橋からバスが転落したのだ。 

 場所は松本市入山辺区三反田、薄川(すすきがわ)の大手橋の仮橋だった――といっても「大手橋の仮橋」って一体なんのことだかよく分からないのだが、とにかくそういう橋があるらしい――そこに通りかかったのが運の尽き、車両は7メートル下の河原に転落した。

 転落したのは大和合発・松本行きの松本電鉄のバスだった。橋には手すりがなく、ストレートに落下していったらしい。

 この事故で乗客4人が死亡、41人が負傷した。

【参考資料】
ウェブサイト『誰か昭和を想わざる』

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