1958(昭和34)年1月1日に起きた事故である。あけまして…おめでたくない。
事故が発生したのが午前12時50分という真夜中で、いわゆる初参りのツアーに向かっていた人々が事故に遭遇したのだった。南海電鉄から出ていたこのバスは、「奈良県吉野郡野迫川村の北股」から高野山に向かっていたという。
そしてこのバスが、「和歌山県伊都郡高野町南の天狗谷」で転落した。当時は霧がひどく、視界は1メートル程度しか利かなかったという。おまけに道路も雨で軟らかくなっており、バスは後部車輪から転落したのだった。さらに言えばこの道路の幅は2メートルで、しかもS字カーブだったという。おそらく難所なのだろう。
転落した高さも90メートルとすさまじく、バスはこの崖を10回転もしたという。誰かが回転数をわざわざ数えていたのかやや疑問ではあるが、ともあれこの事故で9名が死亡した。
【参考資料】
◆ウェブサイト『誰か昭和を想わざる』back