◆長岡市曾地峠バス・トラック正面衝突事故(1967年)

 1967(昭和42)年4月29日のことである。新潟県長岡市大積町の国道8号線を、朝から一台のバスが走っていた。

 これは越後交通のバスで、行き先は上山田温泉である。乗っていたのは長岡信用金庫の職員28名で、おそらく慰安旅行か何かだったのだろう。調べてみたところ、当時のこの日は土曜日だった。当時はまだ週休2日制はなかったはずだが、4月29日は昭和の日だ。

 ところが午前9時、これが越路建設という建設会社のトラックと正面衝突してしまう。原因は不明だ。

 バスの方はどうなったのかよく分からないのだが、何も書かれていないということは、とりあえず大事には至らなかったのだろう。

 悲惨なのはトラックの方である。もともとこのトラックは大積町高頭の土木工事に向かう途中だったのだが、荷台に複数人の農婦が乗っていたのだ。おそらく作業の手伝いのために乗車していたのだろう。衝突の衝撃で彼女たちのうち11人が投げ出され、さらにそのうち6人が死亡した。

 この事故については、特にこれ以上書くことはない。現場の状況も救助の様子も補償もどうなったのかは全く不明である。

 よってここからは余談なのだが、この事故が発生したのは、曾地峠という場所の入り口あたりらしい。

 で、この曾地峠というのが、検索してみると実は有名な心霊スポットなのだそうな。

 そういう場所で起きた事故ということで、夜に原稿を書いていたらなんとなくゾッとして後ろを振り向いてしまった筆者である。

【参考資料】
◆ウェブサイト『誰か昭和を想わざる』
ウェブサイト『新潟県の心霊スポット』

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