◆岡山県倉敷市バス転落事故(1964年)

 時は1964年(昭和39)年1月15日、場所は岡山県倉敷市である。浅原宮古の下り坂を、一台のバスが走っていた。倉敷市市営バスだ。

 時刻は14時25分のこと。一体なにが起きたのか、原因はさっぱり分からないのだが、バスが道路右の小川に転落してしまったのだ。

 転落した高さは3メートル。まあ、当研究室でご紹介したような、数十メートルも転がり落ちたとか湖に没したとか、そういうのに比べるとわりと穏やかな感じがする。

 だが、驚くべきはその高さよりも乗客の人数である。定員62人のところを、なんと100人近くまで押し込んでいたというのだ。帰省ラッシュ時の新幹線も真っ青の乗車率、下り坂で引っくり返るのもさもありなん。結果、乗っていた老人のうち4人が死亡した。

 乗っていた100人余りの乗客というのは、これは「黒住教浅原大教会」なるところから帰る途中だったらしい。

 このナントカ大教会とはなんじゃらホイ、と思い調べてみたところ、古い宗教団体だった。今も倉敷市に存在しているようで、年間行事を調べてみたところ、1月15日には「伊勢初詣団体参拝」という行事があった。

 この事故の乗客たちも、もしかするとこのイベントからの帰り道だったのかも知れない。

【参考資料】
ウェブサイト『誰か昭和を想わざる』
黒住教浅原大教会所ホームページ

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