2016年1月31日日曜日

◆つりビット1stアルバム『フィッシングライフ』感想



 アイドルグループ「つりビット」のファーストアルバム。最近は、これをよく聴いています。

 今日は、一曲ごとの感想をざっくり書きます。

 前にも少し書きましたが、いわゆる「アイドル」という属性には僕はあまり興味がありません。その音楽が面白いかどうか、だけが関心事です。

 ですから、一曲ごとの感想というのは、本当に「聴いた感想」であって、その曲のコンテクストには一切触れません。本当のファンから見れば邪道かも知れませんが、悪しからず…。

感想

・1曲目
「Go! Go!! Fishing」
 全体のラインナップの中では、比較的新しい曲。
 というより、ある程度作品が溜まったので1stアルバムを作ろう――ということになって、それで冒頭に持ってくる曲として作られたものなのではないか。
 だから、「釣り好きアイドル」という冗談のようなコンセプトと、アイドルっぽさと、アルバムの1曲目にふさわしい勢い、という3つの要素がバランスよくまとまっている。
 見方を変えれば、他の曲目に比べるとバランスが良すぎて、当たり障りのない感がある。

・2曲目
「ひまなつり」
 歌詞に無理がありすぎる。たぶん、歌詞を作ってからタイトルをつけたのではなく、「ひまなつり」という言葉をタイトルにするために歌詞を作ったのだろう。
 でも曲調は実にキャッチー。1曲目よりも好き。

・3曲目
「スタートダッシュ!」
 記念すべき、つりビットデビュー曲。前向きでまっすぐで健全な歌詞。全然「釣り」と関係ないあたり、最初はあんまりイロモノ色を前面に押し出さずにスタンダードな方向性でいこう、という方針だったのだろう。

・4曲目
「FISH ISLAND」
 個人的には「ザ・つりビット」という感じ。この曲をブックオフの有線放送で初めて聴いたのが、つりビットとの出会いだったもので…。とにかくサビのインパクトが凄い。
 歌詞の言葉遣いは、某漫画の世界観の完全なパロディ。つりビットはAKBのような正統派ガチアイドルではなく、漫画っぽさや冗談ぽさに重きを置いたグループなのだとよく分かる。

・5曲目
「おさかなソング」
 4~7曲は完全なB面曲。でも逆に、こういうB面色こそがつりビットの本領だと思う。聴いていて楽しい。
 スーパーの魚売場でよく使われていた、某曲の二番煎じのような感じもする。でもこれはやはりアイドルの曲、スーパーの雰囲気にはそぐわない気がする。

・6曲目
「寿司パラダイス」
 お寿司が食べたくなる。

・7曲目
「ズキズキ物語~恋のハロウィン大作戦~」
 歌詞が童話風なんだけど、文章になっていないので読み取りにくい(つりビットの歌の歌詞には、文章的に若干あやしいのが多い)。ストーリーもテキトー。国王弱いし、なんでそこでコンテストになるんじゃい、と突っ込みを入れたくなる。
 しかしサビのキャッチーさは群を抜いていると思う。

・8曲目
「告白スイッチ」
 ここから12曲目までは、A面曲が並ぶ。
 A面ではなくB面をアルバムの前半に持ってくるあたり、その前半部分でリスナーをふるいにかけている感がある。「前半の曲に耐えられなければ、つりビットのA面の曲も聴く資格はないよ」と言われているかのよう。
 僕はB面群の方が好きなんだけど、マニアック臭に多少息が詰まる部分があるのも確か。
 その意味で、ここからの4曲は、「空気の澄んだ山頂」という感じがする。マニアック曲揃いのB面群を、なだらかな斜面を進むように上っていって、やっと辿り着く場所。
 ただ、オーソドックスすぎてつまらないといえばつまらない。

・9曲目
「旅立ちキラリ。」
 同上。

・10曲目
「真夏の天体観測」
 同上。

・11曲目
「ラムネ色のスケッチ」
 同上。

・12曲目
「バニラな空」
 同上。
 どうでもいいけど、冬の雪国に住んでいるからか「バニラな空」という言葉がどういうイメージを示しているのかよく分からない。冬の、雪が降ってきれいな風景を歌っているのは分かるが、そういう場合の空って鈍色の曇天なんだよね。少なくともバニラアイスのイメージじゃない。

・13曲目
「キメキメクリスマス」
 面白い歌詞。ただ歌詞の中の主人公の性別・年齢ともに、歌っている本人たちとかけ離れ過ぎていてアンバランス。素直に入っていけない。
 しかしこの中途半端さは、12曲目までのA面曲群と、14・15曲のB面曲との間に置くにはちょうどよかったのかも知れない。12曲目と14曲目は、どちらもアイドルものとしてはスタンダードだと思うけれど、微妙に毛色が違うのだ。
 つまりこの13曲目は、ちょっと空気が変わる直前の休憩時間というか箸休めというか、そういう形で使われているのだろう。

・14曲目
「恋のマジカルスイーツ~あなたの恋を叶えます~」
 B面曲。ただし、釣りや魚というコンセプトからは距離を置きつつ、8~12曲とはまた違う「アイドルっぽさ」を演出している。形態としては、アイドル曲のスタンダードの一種だと思う。同じ「アイドルっぽさ」なら、こういう雰囲気の方が好きだという人も多いのではないか。ちなみに僕はそう。
 なお、サビがたまらない。

・15曲目
「ムーンライトキッス」
 同上。なお、サビがクセになる。

・16曲目
「踊ろよ、フィッシュ」
 平成27年の夏頃、比較的有線放送で聴く機会が多かったと思う。単なる印象として、最も人口に膾炙した(し得た)のではないか。原曲をしっかりカバーしているし、歌だけ聴いているとそんなにアイドル臭も強くなく、クセがない。とはいえPVを観ると、そのダンスは完全にアイドルのそれで、しかも以前に比べると格段に上手くなっているので、気に入る人は気に入ると思う(気に入った)。衣裳も可愛い。

 全体として、アルバムは「無難な仕上がり」になっている感がある。
 つりビットというグループの持つ、いくつかの「顔」がうまく整理されているし、最初と最後は当たり障りのない作品が配置されている。つりビットというアイドルを知るには最良のアルバムだろう。未収録の曲も、うまく整理して、今後表に出してほしいと思う。
 言い方を変えれば、このグループのイロモノ臭に耐え得るか否か、の試金石にもなるということなんだけどね。

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