2014年12月30日火曜日

◆『ビブリオバトル』


『ビブリオバトル』というのが流行っているそうです。

 バトルと言っても本当に戦うのではなく、みんなで書評を発表し合って、その中で一番「その本を読みたくなった」ものを決めていく、という。

 で、それはただ単に本の知識を共有するためではなく、コミニュケーションにもなってすごくいいよ、という内容でした。

 内容をまとめてみると本当にこれだけで、読了後に思い返してみると「だいぶ水増ししてるなあ」という印象の本でした。図書館で借りてよかった。

 内容はともかく、本を巡るやり取りが、単なる知識の吸収や共有のためになされるわけではない……という部分にはとても共感しました。

 読書って、コミニュケーションとして読むのが一番楽しいんですよね。僕の場合は。

 十代の頃は、とにかくあれもこれも読み尽くしたい! という気持ちで図書館やブックオフで本を漁っていたものでした。でも一番やる気が出る読書というのは、「何を読もうか」と自分で考えて探して見つけ出した本よりも、人から借りたり薦められたりした本の方だったものです。

 大学時代は「知識を得るため」読書をしていた側面もありました。それでも、本のことを教えてくれたり指導してくれたりする先生とのやり取りは楽しかったし。

 今回読んだこの新書にも書いてありましたが、昔は権威者が「とりあえずこれとこれだけは読んでおけ」みたいに示してくれるだけで十分でしたね。でも情報化社会の今、そうした権威も多様性の中に飲み込まれています。

 とまあ、そんな心当たりもたくさんあって、ビブリオバトルの理論自体は共感するところがたくさんありました。

 この世には人間関係しかない、と僕は思っているので、読書もまたそうなのだと思います。作者との人間関係、本を薦めてくれた人との人間関係、本から得た知識を披露する相手との人間関係……。

 たぶん僕が、電子書籍よりも紙の書籍の方がしっくりくるのも、書籍というものにそういうアナログな性質を求めているからなのでしょう。

 前に、実家で、やなせたかしの古い絵本というか詩集のようなものを見つけまして。

 なんだこれ? と思って表紙をめくったら、独身時代の父が母に送った本でした。「昭和●●年●月●日、○○より○○へ」と手書きで記されていたのです。

 そういうのが今もすごく好きなのです。