2014年9月21日日曜日

◆『でろでろ』感想その1



 押切蓮介の『でろでろ』新装版を友人が貸してくれて、読んでいるところです。

 とにかく面白い。面白すぎて、一気に読むのが勿体無いくらいです。スローペースで読み進めています。

 ところで僕は、本を読んで面白い・面白くないを強く感じるとついその理由を考えてしまう体質です。

 それで『でろでろ』についても、読みながら色んな考えが浮かんでくるのですが、とにかく幽霊・妖怪・青春・ギャグという組み合わせなので、切り口は無数に考えられます。

 本当はそのへんをまとめてから書くのが一番いいのですが、せっかくなので考えたことの断片を書き留めておきます。

『でろでろ』、読み始めてばかりの段階で既に「その手があったか!」と悔しく思いました。

 作品中に出てくる妖怪ネタには、これは日常の風景や人間の行動をよ~く観察した結果だろう、と思われるものがたくさんあります。男子の部屋にちぢれ毛を撒き散らす妖怪、教室で会話が止まった瞬間に訪れる妖怪、電話中の落書きを引き起こす妖怪…。

 これらの中には正直、苦し紛れに適当に描かれた感がなくはないものも存在します。でも、日常に起きているちょっとヘンな出来事を「怪奇現象」として「発見」するのは、僕が小説を書くために大事にしている視点と共通するものがあります。

 ネタは日常の中に潜んでいるものですから。誰も気付かない面白さを、驚きを持って発見することで、それが非日常の入口になるのです。

 ミステリを書く人は、たぶんそういう視点から日常を観察すると思うのですが、実はホラーギャグというこの独特のジャンルでも応用が利くことを、作者の押切は示しています。

 だから「その手があったか!」なのです。

 実は妖怪ものは僕も書こうと考えています。でも、どういう形で書くかはまだ決まっていません。そこへきて『でろでろ』を読み、なんだミステリと同じ視点で妖怪ものを書くことができたんじゃないか、先を越された! と思ったわけです。

 その他の感想は、またいずれ。