2013年5月26日日曜日

◆陽だまりの彼女


 某所。

 ※ネタバレ注意
 なにやら映画化されるらしい『陽だまりの彼女』を読みました。

 どこで統計を取ったのかよく分かりませんが、「女性が男性に読んでほしい恋愛小説ナンバーワン」(うろ覚え)だそうです。

 裏表紙の説明もなんかすごい。
   ↓
「幼馴染みと十年ぶりに再会した僕。かつて「学年有数のバカ」と呼ばれ冴えないイジメられっ子だった彼女は、モテ系の出来る女へと驚異の大変身を遂げていた。でも彼女、僕には計り知れない過去を抱えているようで──その秘密を知ったとき、恋は前代未聞のハッピーエンドへと走りはじめる! 誰かを好きになる素敵な瞬間と、同じくらいの切なさも、すべてつまった完全無欠の恋愛小説。」

 ……とあります。

 では実際に読んでみてどうだったかというと、面白くないわけではないけど、「映画化」「ナンバーワン」「前代未聞」「完全無欠」という文句に負けてしまっている感があります。

 完全にネタバレですが、この物語をひとことで表現しますと「異類婚姻譚」です。鶴の恩返しや鮒女房など、昔話によく出てくるあの物語形式ですね。

 でも普通の異類婚姻譚と違うのは、ヒロインの奥さんが最後に主人公のもとへ戻ってくるという点です。……猫として。

 このオチがなければ、愛する人が急にいなくなってしまう喪失感が切なくて良かったのですが。なんだかラストで興ざめでした。これを前代未聞のハッピーエンド、完全無欠、と表現するのはいかがなものか。解説の文章も、なんだか無理して書いている感があります。

 まあオチについてはもともと賛否両論あるようなので、僕は読者としてたまたまそっち側だったというだけなんですけどね。文書も上手ですし、作風としては好きです。

 ここからは蛇足です。

 これは知っている人だけ思い出してくれればいいのですが、奥さんの正体が判明して、そして主人公のもとからいなくなってしまうシーンを見た時に思い出したのは『海辺の頭足天女』という漫画でした。

 もう20年くらい前に、週刊モーニングに掲載された、四季賞をとった作品です。

 んで、奥さんが猫として戻ってきたシーンを見た時に思い出したのは、ながいけんの、「スーパーアラビア人」だったかな、そういう人が出てくるギャグ漫画でした。

 これは、悪魔から蟹の姿に変えられてしまった恋人をたったひとコマで●●してしまうという、作者をして「救いようのないマンガだこと」といわしめたアレです。