2012年8月28日火曜日

◆『シャトゥーン ヒグマの森』感想

シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)
シャトゥーン ヒグマの森 (宝島SUGOI文庫) (宝島社文庫)

動物が人を襲うホラー小説でまず一番に思い出すものといえば、『クージョ』。

今でも覚えているのですが、『クージョ』の裏表紙には「ひたすらコワい長編」という紹介文が書いてあって、確かにその通りでした。

で、「動物ものホラー」というのはどうやらかように「ひたすらコワい」ものらしく、この『シャトゥーン』もおっかないおっかない、もう背筋が凍ります。

内容的には「ひねり」といえるものはほとんどなく、登場人物がヒグマに襲われ、引っかかれ、引き裂かれ、ちぎられ、えぐられ、食われる。んで仕方ないので生き残った人たちは戦う。そういう話です。

まーその「ひたすらコワい」過程を楽しめばそれで充分な作品だと思うのですが、ちょっと対比で考えた場合、興味深いと思うのは、この作品における「愛」の描き方でしょうか。

実は、ひたすらコワいだけに思われる『クージョ』も『シャトゥーン』も根底には「愛」がテーマとして盛り込まれている部分があり、前者はそれは人間に対しての愛であり、後者は自然に対する愛であるように僕には見えます。

動物もののホラーになると、アメリカ人と日本人でこういうふうに描き方が変わってくるんですね。