2012年6月10日日曜日

『ビッケと木馬の大戦車』

ビッケと木馬の大戦車 (評論社の児童図書館・文学の部屋)
ビッケと木馬の大戦車 (評論社の児童図書館・文学の部屋)

※ネタバレ注意!

今回のビッケは、いくぶん「冗談抜き」のテイストです。
3巻で悪政から救い出したブルガリアの人々を助けるため、城塞に援軍として入り込んだビッケをはじめとするフラーケの海賊たち。

対するは、獰猛な「野蛮人」ブルドゥース人ども。

しかし野蛮(ブルドゥース)人などと呼ばれてはいるものの、穴を掘って城壁をくぐろうとしたり、竹馬(!)で城壁を乗り越えようとしたり、果ては「木馬の大戦車」を使って城壁を破壊して侵入を試みたりと、敵はしたたかです。
さあ、ビッケの知恵は彼らを撃退することができるのか。

もう今回はまるまる一冊、最初から最後まで彼らとの知恵比べ。ガチ戦争です。
個人的には、もうちょっと笑いがあっても良かったかな。
前回のはその意味でも最高でした。
もちろん今回も、とても面白いですけどね。

話の流れを言ってしまうと、もちろんビッケはちゃんと大活躍して敵を追い払うのですが、どの作戦も今までのようにはあまり笑えません。水攻めだったり、転倒させたり、城壁を増やして敵の攻撃を封じたり偵察したりと、手に汗握る策略と策略のぶつかり合いです。

僕は戦争の物語はあまり観ませんが、ロード・オブ・ザ・リングの映画の世界を思い出しました。
ブルドゥース人たちも、竹馬ではなく「ハシゴ」を使えばよかったんじゃないかと思います。
もちろんビッケはそれでも撃退するでしょうけど。

ラストも大人のドラマです。獰猛で凶悪な敵の大将が、最後は沼に落ちて死にかけるのですが、ビッケの仲間たちが助けたことで改心し、以後は死ぬまで人々のために尽くすのです。

今回特に実感したのですが、ビッケ・シリーズは「新しい神話」みたいな雰囲気がありますね。水道管とか「実況中継」とか、いろいろなものが実はビッケが世界史上で一番最初にやっていたのだ……という記述が多い。

戦争に神話と、作者にはそういうものに対する志向があるのでしょうね。
トロイの木馬も出てきましたし。

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